第29章 MIMOSA
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朝、と言っても寝すぎたせいで昼に近い時間。
話し声に目が覚めた。
ベッドの上には、散乱した紙。
よく見ると何かのデータで書類らしい。
隣に寝ていたはずのドフラミンゴは、昨夜と同じ格好で受話器を耳に当て、ノートパソコンに打ち込んでいる。
「あら?やっと起きた?」
『!!?』
覗き込む様に見てくるのは、ドフラミンゴの側近の女。
確か名前は、モネ。
「若様、支度させるわね」
頷いたドフラミンゴは私の頭を撫で、意識を電話に戻す。
モネに連れられリビングに来た私は、所狭しと並んだ物に目を丸くした。
「さぁ、好きな物選んで」
丸い眼鏡を掛けたモネは、ファイルを取り出し、物の説明をしだした。
『ちょ、ちょっと待って!
これって一体何なんですか?!』
「えっ?服と日用品だけど?
あっ、化粧道具も一揃いあるから好きなブランド選んでね」
そう、広々としたリビングに置いてある物。
スーツから普段着、お出掛け服にドレス。
下着や化粧品などなど置いてあり、準備したらしい各ブランドの店員までいた。
『それはわかってます。
私が聞いてるのは何で私が選ばなければいけないかです』
「・・・」
『・・・』
妙な間が空く。
見た目あった私達。
「えっ?一緒に住むんでしょ?」
『・・えっ?』
「・・・」
『・・・』
誰と誰が住むの?
これじゃ、まるで・・・
「モネ、少し席を外せ」
沈黙を破ったのは、ドフラミンゴ。
モネと室内にいた人々は、ドフラミンゴに頭を下げ部屋を後にした。
「お姫さん、そういう事だ」
『・・いやいや、そういう事って?!
ちゃんと説明して下さい』
「寝る前に言ってたのは、お姫さんだろ?」
寝る前?
私、何か言ったけ・・?
「そばにいてくれる と聞いたお姫さんに俺はいると返事を返した」
うん、覚えはある。
頷く私。
「そういう事だ」
話は終わりだと言う様にソファーに座り、持っていた書類を見始めた。
・・・えっ?
どういう事?
そばにいてくれる?と聞いたのは事実だけど、どうしたらこんな事になるの?
『・・いやいや、わかりませんって!』
詰め寄る私にため息を吐き、教えてくれた。
「そばにいるならここに住むしかない。
だから、生活に必要な物を揃える、わかったか?」