第28章 SUMMER SNOWFLAKE
「まぁ、ロビンの事は気にするな。
昔からクロコダイル一筋だから、周りにいる女全てを敵と思ってんだろうな」
『・・そっか』
「あいつらの話は以上だ。
・・・他に蹴り付けねぇ事がある。
あの男の事をはどうしてぇ?」
まだ、その話はしたくない。
口に出すのも嫌だ。
「・・・俺が始末していいか?」
始末・・
ドフラミンゴがそう言うと悪いイメージしか出てこない。
「別に命取るつまりはねぇ。
だが、お前が止めても俺のに触れたヤツを無事に帰すつもりはねぇからな」
ドキッ また胸に痛みが走る。
何故、痛みが走るのかわからない。
だけど、ドフラミンゴの言葉に反応している事は確かだ。
「・・、さっき言ったよな。
同情って・・俺はお前に同情はしてねぇ。
かわいそうとも哀れんでもいねぇ」
『・・・だったら、何で優しくしてくれるんですか?』
同情以外に何があるの?
卑屈めいた考えしか浮かばない。
「決まってんだろ。
が泣いてたじゃねぇか」
えっ?えっ?!
「が泣いた時、俺はどうだった?」
考えろと示すドフラミンゴ。
私が泣いた時・・
答えが出た時、ハッとした。
『優しい・・』
「他は?」
『ギュッと抱きしめてくれる』
「他は?」
『甘えさせてくれる』
そうだ、そうだった・・
「わかってんじゃねぇか、それが答えだ。
何をそこまでは卑屈になってんだよ。
俺は何1つ変わってねぇ」
そう、変わったのは私の方だ・・
「だから、甘えろ。
他の誰でもねぇ、俺に甘えて俺にワガママを言え」
ドキッ 胸が痛む。
痛みが止まらない。
だけど・・・
首を横に振る私にドフラミンゴは、また溜息を漏らした。
「言え、」
『ーーーっっ!そう言われたら逆らえないって・・
言わないでよッッ・・・』
「フフフフ、上等だ。
言ってやるよ。 話せ」
『ぅっっ・・
私は・・・・・汚いッ・・』
そう、前とは違うんだ。
未然に防げたけど、触れられた箇所は穢れてしまった。
前とは違う。
擦っても擦っても、あの恐ろしい背筋が凍る恐怖は消えない。