第28章 SUMMER SNOWFLAKE
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目が覚めたら、大きなベッドで寝ていた。
そばには誰もいない。
いつの間にか服もドレスからバスローブへと着替えていた。
隣の部屋に誰かいる?
物音に私はベッドから降り、扉に手をかける。
隣の部屋は書斎みたいで、そこにドフラミンゴとヴェルゴの姿が見えた。
「それで男は?」
「会社の地下に隔離している。
それでどうするんだ?警察に引き渡すのか?」
警察・・
途端に蘇った。
あの出来事を警察に知らせるのが1番良い。
だけど、知られてしまう。
みんなに知られてしまう。
『ーーっっ、だ、ダメっ!』
警察には言わないで・・
私の小さな悲鳴を聞きつけた2人が振り返る。
「ヴェルゴ、今日はもう退がれ」
頭を下げたヴェルゴが部屋を後にした。
「・・」
『お願いッ!誰にも言わないで・・』
「わかった。落ち着け」
身体が震える。
止まらない。
「大丈夫だ、ここには俺しかいない」
『・・ごめんなさい』
「謝るな」
気持ち悪い。
身体中が気持ち悪い。
『・・お風呂入りたいです』
あのドレスを着ていないのが幸いだった。
嫌でも思い出すあの感触に吐き気がする。
ドフラミンゴに案内されて、バスルームに入る。
少し生活感があるバスルームは、ホテルの部屋ではないのだろう。
浴槽には、お湯が溜めてあった。
ここは、何処なんだろう?と、ボンヤリ考えながらシャワーを浴びた。
スポンジに泡を立て、身体を擦っていく。
何度も何度も、あの感触が残る場所を執拗に擦る。
紅くなった肌が悲鳴を上げるがそれでも、残るのだ。
止まったはずの涙がまた、溢れた。
好きでも無い男に触れられた。
身体も心も許していないのに・・
屈辱的感触が私を犯す。
「お姫さん、まだ入ってんのか」
どれぐらい時間を掛けて洗ったのか、わからない。
ドフラミンゴが様子を見に来る程なんだろうとは、思う。
返事を返さない私を不審に思ったのか、ドアがスライドした。
『出て行ってッ』
シャワーを頭から浴びる私を見たドフラミンゴは、服のまま浴室に入って来た。
『な、何っーーー』
止める暇も無く、ドフラミンゴは抱き上げ湯船に私を入れた。