第28章 SUMMER SNOWFLAKE
私は、ドフラミンゴが男を倒している間に身体を起こし、口に突っ込まれたパンツを吐き出し、胸元を元に戻す。
「・・」
ビクッと身体が震える。
「大丈夫か?」
『ドフラミンゴ・・』
「あぁ」
『ドフラミンゴ・・』
「もう、大丈夫だ」
『ドフっっ』
「触ってもいいか?」
労わる様な口調が、先程までの出来事を思い出す。
そっと、身体にスーツの上着を羽織らせると、ゆっくり包み込んだ。
「遅くなって悪かった」
首を横に振る。
「恐かっただろ」
『・・ドフ、ラミンゴっ』
「ドフィって前に呼べって言ったの覚えているか?」
『ドフィ・・こ、こわ、かった」
「あぁ、もう大丈夫だ」
『ドフィっっ』
ドフラミンゴのぬくもりに
ドフラミンゴの匂いに
涙が止まらない。
「ドフィ、車用意出来た」
ヴェルゴの言葉に私を横抱きに抱き上げるとドフラミンゴは、私を連れて部屋を出て行った。
戸惑う私にドフラミンゴは言った。
「安全な場所に向かうだけだ」
少し寝てろ と、車に乗っても私を膝の上に置き抱き締めてくれる。
ドフラミンゴの胸に顔を寄せると身体に回された手がゆっくりトン
トンと背中を優しく叩く。
車が動く振動と、背中を叩くゆっくりとしたリズム、ドフラミンゴの体温に私は身を預けた。