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花言葉を君に 【ONE PIECE】 現パロ

第27章 KATAKURI





今度はドフラミンゴは呼び止めなかった。
その事が言葉に真実味を帯びる。

哀しい気持ちを振り払う。
こんな所で、今から大切なパーティーがあるのに、気持ちを引き摺るわけにはいかない。
私は、頬を強めに叩いて気合を入れる。

開始予定時間を30分経っていた。
会場に入ると、進行はスムーズに進み何の問題も起こってない様だった。

無意識にクロコダイルの姿を探す。
スピーチが待つため所定の場所にいた。
隣には寄り添うようにロビンの姿も見える。

『インカム貸して』

ステージ横のブースで進行などしていた部下に告げ、インカムを耳に装着する。

「副社長?」

いつもは部下に任せて、社長のそばに付いていた私がここにいる事を不審がる皆んな。

『今日はロビンさんがいるからね』

上手く笑えているだろうか?
自信が無い。

納得してくれた部下に混じり、仕事をこなす。
気を紛らかせたかっただけ。
でも、一向に頭を占めるのはあの事だけだった。

クロコダイルのスピーチも無事に終わり、立食パーティーへと進行して行く。

「お姫さんここにいたのか」

ブースを覗き込んできたのはドフラミンゴ。
挨拶回りはいいのか? と、聞く。

さっきの出来事なんて無かったかのような、いつものドフラミンゴ。

『しなきゃいけない・・』

「・・行くぞ」

連れ出された私の腕を自分の腕に組ませるドフラミンゴ。
これでは、私が同伴者みたいではないか・・

でも、こうされた意味は後からわかった。
絶え間なく続く挨拶の中で必ず聞かれるクロコダイルとロビンの関係。

笑って流す事が精一杯。
腕を組まれていなかったら、1歩も歩けなかったかもしれない。

「後、1人だ」

どうして名簿を知ってるのだろうか。
誰1人漏らす事なく順序通りに挨拶回りが進む。

顔に笑顔を貼り付け、私は挨拶した。

『お越しいただき、ありがとうございます。
サカズキ社長』

クロコダイルを嫌味嫌う、大手企業の取締役社長。

「君元気かい?
噂じゃ、そちらの社長にフラれたらしいな・・
良かった我が社へ転職でも考えろ。
いい席を用意する」

いや、私がこの社長を嫌いだった。




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