第27章 KATAKURI
「何故お前がここにいる」
正装姿のドフラミンゴを一瞥したクロコダイル。
『私が同伴を頼んだんです』
隙が出来、クロコダイルの腕の中から抜け出すとスーッと伸びたドフラミンゴに腕に腰を掴まれ寄せられた。
「てめぇこそ、ここでお姫さんと何してんだ?」
「お前に関係ない」
背筋が凍る。
緊迫した雰囲気が辺りを包むがそんな雰囲気を諸共せず、言葉を発した人物がいた。
「うふふふ、2人での取り合いかしら?」
「ロビン・・」
呟くクロコダイルへ近付き、その肩に頭を預けるロビン。
甘えた様なその仕草に違和感が湧く。
「さっきも思っけどサーとドンって好みのタイプって同じなのね」
えっ?
「ねぇ、パーティーが始まる時間だわ。
サー行きましょう」
サー クロコダイルを親しげに呼ぶロビン。
「ロビン待て、まだに聞く事がある」
「・・そう?それって業務に関係する事かしら?」
怖い・・
ロビンの笑顔がとても怖い。
思わずギュッとドフラミンゴの服を掴む。
気付いたのか、私の腰に回した腕に力を入れ返してくれた。
「ロビン」
「後からでもいいかしら?
ドンも貴女を待っていたみたいだし、ね」
ドン?
ドンキホーテ ドフラミンゴの事?
顔馴染みの様に雰囲気。
「それとも・・
サー、婚約者の私より大切な用件なのかしら?」
婚約者・・
クロコダイルとロビンは婚約しているの?
「フフフ・・・
これはこれは、長い事許婚が続いていたがやっと婚約か。
おめでとう、ロビン」
「うふふふ、まだ内緒よ。
ちゃんと知らせたかったんだけど、こんな形になってごめんなさい。
ドンには、いろいろと助けてもらえたから感謝しているわ。
貴方の気持ちに応える事が出来なかった分、サーに幸せにしてもらうつもりよ」
嬉しそうに笑うロビン。
だけど、その発言の内容も視線も全て私に向けられていた。
どういう事?
話についていけないのは私だけなの?
まるで、蚊帳の外。
「じゃ、行きましょう」
そう言って軽やかに出て行くロビンに引かれ、クロコダイルは黙って私の前を通り過ぎた。