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花言葉を君に 【ONE PIECE】 現パロ

第27章 KATAKURI





「待て、」

背後から呼び止める声に肩が揺れる。
振り返れば、そこには正装したクロコダイルの姿。

パリッと糊が効いたタキシードを着こなしたクロコダイルがカツカツと靴音を鳴らし、近付いて来る。

パーティー開始まで後、30分。
迫った開始時間にバタバタと動き回っていた私はとうとう捕まってしまった。

「やっと捕まえた、何故避ける」

顔を合わせ難いとは思わないのか。
あの日からクロコダイルを避けていた私。

『何かご用ですか?』

「話がある」

腕を引っ張り、近くの空室へ連れ込まれ様とした私の視界にロビンの姿が見えた。

あの日買った黒いドレスを身に纏ったロビン。
女の私でも見惚れる様な美しさ。

『ロビンさんがお待ちですよ』

「構わない」

ガチャンと勢いよく閉まるドア。
室内のシーンとした冷たい空気。

クロコダイルは、私が逃げれない様に壁に手を当て 私を囲った。

『どいて下さい』

「頼むから!・・頼むから話を聞いてくれ」

絞り出すかな様な声に沈黙が落ちる。
長い沈黙だった。
部屋の時計の針の音だけが辺りを包む。

「・・・悪かった」

感情的になりすぎた と、呟くクロコダイル。

『・・社長が謝る事ではありません。
私の方こそ済みませんでした』

「いや、俺が悪かったんだ。
・・今までの1番そばにいたのは俺だった。
だが、実際は違ってた。
自惚れていたんだよ、俺は・・」

『クロ君・・』

小さい頃近所に住んでいたお兄さん。
それがクロコダイル。

私は、クロ君クロ君と慕っていた。
慕い過ぎて、仕事でもクロコダイルのそばにいた。

「お前はあいつが好きなのか?」

あいつ・・
ドフラミンゴ・・

ゾロの言葉で実感した事実、だがそれに好きだという恋愛感情があるのかと言われればどうだろうか。

気を使わず楽なのは確かだが、好きなのだろうか?
今までゾロが好きだったのにそう簡単に気持ちが変わるのだろうか?

わからない。
わからないんだ、自分の気持ちが・・
私はドフラミンゴを・・

『私は・・』

ーガチャン!ー
勢いよく開くドア。

そこから現れた人物。

「よぉ、お姫さん。迎えに来たぜッ」

『ド フランミゴさん・・』

何でいつも急に現れるの?
何でいつも・・・

ドクンっと静かにだが確実に胸の鼓動が動く。


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