第4章 CARNATION
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「それならそうと早う言えば良かったものの。
流石わらわが見込んだ友じゃ、此処を知っているとは流石じゃ」
あれから何度も何度も何度も追求され、どうにか納得したハンコックはルフィと私の関係を只の顔見知りと断定した。
それ以上の関係じゃないのは確かだが、女の嫉妬は奥深い。
『えぇ、早く伝えたらハンコックに余計な心配かけずに済んだのにごめんね』
ルフィとの出逢いを聞いたり、敬語を辞めたらハンコックは私に心を許してくれた。
一か八かの賭けだったが、上手くいって胸を撫で下ろす。
「良いのじゃ、。
ルフィの話を出来る友が出来てわらわは、嬉しいぞ」
ハンコックの機嫌が治って胸を撫で下ろしたのは、私だけではなかった。
彼女の秘書もヘルプで入ったホストも一様に安心した表情を露わにしていた。
「女帝に気に入られるのは流石だな」
小声で話す赤髪のホスト。
これでか!の勢いで高そうなスーツに煌びやかなピアス、ネクタイピン、カウスボタン、時計、ブレスレット、指輪、ネッカチーフ、ポケットチーフ。
あまりにも盛り過ぎで目がシュバシュバしてくる。
『・・・』
「・・・おい、女帝のお気に入り娘は俺とは話せねぇって言いたいのかよッ!」
『・・・アナタ誰?』
今までハンコックへの対応に終われ、隣にいたホストの存在を今やっと認識した。
眉を寄せた赤髪ホストは、私のグラスの横に置いたままの名刺を指差し叫んだ。
「ユースタス・キッド!
挨拶もしたし、名刺も渡した!!」
『・・・へーっ』
私とした事がこれ程印象深い人物を記憶に留めていないとは・・・
明日は朝1番にエステの予約を入れよう!
絶対疲れてるはず!!
と、常連のエステシャンに予約のメールを制作し始めた。
「聞けッ!俺の話をッ!!」
「そこのアホ髪、五月蝿いぞ」
ハンコックの鋭い声に押し黙るしかないキッド。
でも、その反抗的な目は私を鋭く睨みつけている。