第23章 TRUMPET VINE
「セックスする客が1人だけとは思わない事だな」
信じられなかった。
ゾロがそんな事するなんて。
実際この目で見たのに信じられなかったんだ。
『私は、そんなの望んでない!!』
「お前が望まなくてもゾロが望んだんだよ。
お前に相応しい男になるためにな」
『誰が決めるの?!
相応しい相応しくないなんて、誰が決めるのよッ!』
私は、ゾロが良かった。
他の誰でもない、ゾロが好きなの。
『私は、ゾロのままのゾロが好きなの・・』
「・・、ゾロはゾロだ。
あいつの根本は変わってねぇんだよ」
『ドフラミンゴさん・・
私どこで間違った?何がいけなかったの?
教えて・・ねぇ、教えてよッ!!』
崩れる様にその場に座り込む。
立っていられない・・
「・・は悪くねぇ。
ゾロが考えた結果がこれだったんだよ」
わかんないよ・・
私は何も求めてなかった地位も名誉もお金も。
どうして、求めるの?
どうして、必要なの?
今まで通り、2人で笑ってたらそれで良かったのに・・
『・・あの選び方が悪かったの?
でも、あの後私は本当にゾロを好きになったんだよ。
ゾロだけを見てた。
・・・伝わってなかったって事?』
考え始めればきりが無いとはわかってる。
わかってるけど、この思いが止まらない。
「・・お姫さんは、いつまでもお姫さんだな。
過去を振り返って何になる?
先を見ろ、後ろばっかり見てちゃいつまで経ってもお姫さんのままだぜ」
私の所まで歩いて来たドフラミンゴは、見下ろしたまま言葉を続けた。
「甘い。
甘いんだよ、何もかも。
無理だと思ったらさっさと切り捨てろ」
そんな事言われて出来る事じゃない。
この気持ちを、ゾロへの気持ちを捨てるなんて出来ない。
別れようと言ったのは私の方。
だけど、そう簡単に切り替えられるはずがないのだ。
『ドフラミンゴさんは、出来るの?!
大切な人を切り捨てる事が出来るの!?』
「出来る。
俺は信用したヤツらしかそばにおかねぇんだよ。
だから会社にファミリーって付けてんだよ。
さぁ、お姫さん選べ。
捨てるか、認めて受け入れるか」