第17章 LAVENDER
『〜〜ッッ!!?』
「見えねぇから別にいいだろ、俺も濡れて寒みぃ」
泡があって本当に良かった・・
「ほら、取れ」
『えっ?薔薇?!』
バスタブの傍に置かれた籠に入った真っ赤な薔薇の花。
茎は切り落とされていて、花びらだけになっていた。
「こう使うんだよ」
ドフラミンゴは無造作に籠に手を入れ、握った花びらを湯船に撒いた。
パチパチと弾ける白い泡と真っ赤な花びら。
『・・綺麗・・・』
「初めてしてみたが、割と良いもんだなぁ」
えっ?初めて?
見上げた私の表情を見たドフラミンゴは
ただの女とこんな事俺がするわけねぇだろ と、籠を押し付けてきた。
「残りはお前が撒け」
そう言うとバスタブから出て身体を洗い始めるドフラミンゴの姿に慌てて視線を逸らす。
・・撒いてみようかな・・・
パラッと花びらを落としてみれば泡に浮かび、薔薇の芳醇な香りが鼻腔を擽る。
心が癒されていく。
先程まで、自暴自棄になっていた自分自身が馬鹿みたい。
『・・ドフラミンゴさん・・・
ごめんなさい・・ありがとう・・・』
「あぁ?・・あぁ、ククククッ、気にすんな」
たっぷり泡風呂と薔薇風呂を先にお風呂から上がったドフラミンゴに
もう、いい加減出ろッ!と、言われるまで楽しんだ。
そして、ふかふかのベッドで何度もキスを落とすドフラミンゴに優しく抱きしめられたまま眠りについた。