第17章 LAVENDER
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あの日あの言葉を言った瞬間
無表情のドフラミンゴに引っ張られるままホテルへ行った。
常連客なのか手続きそこそこに鍵を受け取ったドフラミンゴは部屋に入って真っ直ぐ、バスルームに直行した。
『ちょ、ちょっとドフラミンゴさん?!』
止める間もなく、頭から浴びせられた冷水のシャワー。
一気に身体が冷えていく。
「・・・頭が冷えるまでそこから動くな」
そう言うと足早にバスルームを出て行くドフラミンゴ。
止まっていた涙がまた、溢れ落ちる。
キッドに言われた言葉のせいか
ドフラミンゴの冷たい無表情のせいか
何故か理由がわからない。
だけど、飽きられた・・
それだけはわかった。
「まだ、頭冷えないのかよぉ」
戻って来たドフラミンゴは、バスタブにお湯を張り始めそこに何かを入れた。
「・・泣き虫」
シャワーを止め、私の服を脱がしていく。
『ちょっ、ヤダ!』
「フフフッ・・、さっきの言葉は撤回するのか?」
勢いよく頭を縦に振る私に、ドフラミンゴは手を止め風呂に入るよう言って出て行った。
バスタブから暖かな湯気。そして・・
『泡風呂だ』
脱ぎ捨てた服をそのまま放置して、冷え切った身体を湯船に浸ける。
暖かな温度とふわふわした泡。
私の固まった心を解してくれる。
「おい、また泣いてんのかよッ」
開けっ放しになっていたドア。
現れたドフラミンゴに驚いて私は慌てて身体を隠し背を向ける。
「泡で見えねぇから焦んな」
衣擦れの音がする。
もしかして!と考えが浮かんだ瞬間、ザザッと湯船のお湯が溢れた。