第6章 2つ言っておくぜ
「秀徳に挑むためにもまずは初戦!気引き締めていくぞ!」
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「そう言えば監督は?」
「あぁ、一回戦の相手の練習試合偵察に行ってるよ。」
ドアの開く音が心なしか大きく響き、ただいまとリコが不機嫌そうに帰ってきた。
「お、噂をすれば…」
「海常の時はスキップしてたけど、今日はしてねぇな…」
「監督―!今日はスキップとかしたりしないんですか?」
「するか!」
鋭い声がリコから出、首をすくめた。
「だぁほ。公式戦でもへらへらしてるわけねぇだろ。にしても機嫌悪ぃな。強いのか?あいて。」
先ほどの高揚感はどこへやら、皆しずかに監督の言葉を待った。そして、リコは静かに口を開いた。
「秀徳に挑むどころか、今のうちじゃ一回戦すら危ういわ。」
「…どういうことだ?」
「ちょっと厄介な選手がいるのよ…とりあえずビデオは後で見るとしてまず写メみて。」
「こ、これは…」
リコのケータイ画面を開き、日向は息をのんだ。かわいらしい子猫の画像が映っている。
「か、かわいいが…」
「あぁごめん。次。」
「次?」