第6章 2つ言っておくぜ
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「白華…俺達が何を聴きたいかは、分かってるよな…?」
「はい…」
ついてそうそう日向はなんとなしに口に出した。しょぼんとして小さな声で紫苑が答えると流石にその姿に答えたのか、小金井が慌てて笑った。
「そんな暗い顔すんなって!!お説教じゃないんだし!」
リコ以外の眼差しが紫苑に向けられる。
数秒間がじりじりと進み、首をすくめて待ちかまえていると一斉に色紙を差し出して頭を下げた。
「サインください!!!」
「…えぇ?!」
「違うでしょ!!」
紫苑が呆気にとられておどおどしているうちに、どこからでてきたのかリコのハリセンが日向達の頭をひっぱたく。
「いって…ま、まぁ初めに昨日の試合の後どこに勝手に消えて行ったか教えてもらおうか。」
痛そうに頭をさすりながら日向は紫苑に向かって口を開いた。別に怒る気もなさそうな雰囲気で、いささか気が楽になったように感じる。
「ちょっと黄瀬っちと話をしてました…」
「…ならいいんだが。勝手な行動は慎んでくれよな。お前に何かあったら俺達に責任がある。それに、チームを乱すような事があったら説教ではすまないからな。ま、俺が聞きたいことはそれだけだ。」
もっともな言葉に反論する言葉もない。一つ小さくはいと返事をする。後は一年が帰ってくるまでゆっくり待つかぁ、今頃どうしてるかねぇとくつろぐ日向達だがリコの顔は少しばかり厳しいままだ。
「…紫苑ちゃん。」
「はい。」