第6章 2つ言っておくぜ
「ほい。」
そんな火神に渡されたのは茶封筒。
「金はもちろん、俺ら2年が出す。ついでに皆の昼飯も買ってきて。ただし失敗したら…釣りはいらねぇよ。今後筋トレとフットワークが三倍になるだけだ。」
背後に青白い炎が見えて顔には悪魔の影があるのが見えるのは幻だろうか。お昼の買い出し、クラッチタイム。
「ほら、早くいかねぇと無くなっちまうぞ。」
「伊月先輩…」
「大丈夫。去年俺達も買えたし、パン買うだけ…パン?パンダのエサはパンダ!」
メモ帳に書きつけどうだと顔をあげると、すでに背を向けて購買へと向かっていた。黒子の後に続く紫苑をリコが大声で呼び止める。
「紫苑ちゃんはこっち!それは男らに任せて!!…ちょっと、こっちで楽しくお喋りでもしましょう?」
紫苑が振り返るとわざとらしいというか、明らかになんかおかしいその様子に背筋が震える。逆らうわけにもいかず大人しく屋上までついていったのであった。