第2章 黒子はボクです。
「あっちじゃねーの?」
皆の視線がリコの後ろにいる、老先生に移る。皆当然そっちが監督だと思ったのだ。しかし、リコは平然として言い放った。
リコ「あちらは顧問の武田先生。」
よろよろと頼りなく顔をあげ、微笑む武田先生に、紫苑や黒子を含めた一年全員の頭に
「さ」「よ」「な」「ら」
の四文字が浮かび上がった。
「マジかよ…てか、ありなのか…?」
リコ「さぁ、武田先生の紹介も済んだところで…あ、そうだ。今年はなんとマネージャーさんが入ってくれました!!紫苑ちゃんちょっと前に出てくれる?」
軽くうなずき、リコの横に立つ。皆の視線を痛いほど感じるが、紫苑は堂々としていた。
紫苑「はじめまして。白華紫苑です。中学でもマネジやってました。よろしくお願いします。」
紫苑は苦笑すると頷いた。
全員の目が紫苑にくぎ付けになる。何か言いたそうに口を開け閉めするもの、凝視するもの。皆それぞれだ。ふと、紫苑と目が合い、紫苑はいつもの癖で微笑んだ。突風の吹きそうな予感。
やり過ごせない空気にリコの鋭い声がひびを入れる。
リコ「…まずはお前ら全員シャツを脱げ!!!」
「「「「は…?えぇぇぇぇぇぇぇぇぇえええええええ???!!!なんでぇぇぇぇぇぇぇええええええええ??!!」」」」