第2章 黒子はボクです。
日向「よーし、全員そろったなー。」
新設校ならではの真新しい体育館。ワックスの効いた床に設備の整った最適な体育館。
「なぁ、あのマネージャー可愛くね?」
「二年だろ?」
「あれでもうちょい、色気があれば…」
左隣から聞こえてきた、同じく仮入部の一年の会話。黒子と紫苑は特に興味なさそうに耳も傾けなかった。それよりも、紫苑の鋭い目は先ほどから目の前にいる体格のいい生徒にだけ向けられている。
日向「だーぁほ!違うよ。」
ふと、痛そうな音が聞こえて音のした方を見ると、日向のグーパンが話していた一年の頭にヒットしていた。
うめき声を漏らす二人。
リコ「男子バスケ部監督。相田リコです。よろしく!」
元気よく挨拶するリコ。
一瞬の沈黙の後の嵐。それもそのはず、マネジだとおもっていたら監督だったとは…夢にも思っていなかったことだろう。
紫苑「だって…黒子っち。」
そっと耳打ちすると、黒子は横目で紫苑を見ただけですぐに前を見てしまった。
黒子「僕は驚きませんよ。今までとそう大差ないじゃないですか。」
少し微笑み小さく息をはくと、紫苑はその場にいる全員を見渡した。次々といろんな情報が入ってくる。やはり、逸材は目の前にいる赤髪の生徒。
(このチームはなかなかおもしろそうだ…)
期待がゆっくりと頭をもたげるのを紫苑は疑いもせず、むしろ喜んだ。