第5章 逆襲よろしく!
その頃誠凛では
「…なるほど。うん。それ、いけるかも。…火神君もやっと頭冷えたみたいね。」
「いや…俺は最初から…」
「「超ムキになってたよ!!」」
日向と伊月の否定に少々苦笑いをこぼす。彼のその性格は何とかならないものかと皆が思っている中、逆にそれが強みでもあることは言われずとも認めていた。
「けど、黒子君と火神君。二人の連携が大事よ。これ…できる?」
真剣な表情で問うリコに、火神は少々困った顔をして軽く首をかしげた。
「まぁ。なん…とか…」
曖昧な返事を返す火神のわき腹に直後鋭く、黒子の手が突き刺さった。痛そうにわき腹を押さえながら苦しそうな声を出す。
「てんめ…何…いきなり…」
「黄瀬君を倒すんでしょ?」
いつもとは少し違う、強気な言葉に火神は顔を引き締めると、相手ベンチを見つめた。弱点を掴んだ今、勝てるのは今だけかもしれない。これが、最後の勝負。
「…ったりめーだ!」
そう言うと、やられたらやり返す精神の火神。同じように突きを返した。うっとうめく黒子。そこから少し離れたところで、紫苑は小さく息を吐いた。
「(黒子っちとすぐに連係プレーができる人なんてそうそういないかもしれないけど…)」