第4章 勝てねぇぐらいがちょうどいい
「どうしてそう言う大事なことを先に言わないのぉ!!!」
リコの雷が落とされて紫苑は思わず目をつぶった。今、リコの癇癪玉は破裂寸前ともいえないくらいで、黒子は哀れにも首を絞めつけられている。
「すみません。聞かれなかったんで…」
「聞かれななんもしゃべらんのか己は!!(アタシもうかつだった…こんなとんでも技がノーリスクでやれるって方が上手いわ。)」
黒子を救出しながら、紫苑はそっと耳打ちをした。
「火神はこれで持つかな?」
「ありがとうございます。たぶん、大丈夫です。」