第4章 勝てねぇぐらいがちょうどいい
「話にならんな…大口叩くからもう少しまともな選手が出てくるかと思ったが…」
不服そうに腕を組む竹内に黄瀬は反論した。
「どうですかね。まぁ、確かに…まともじゃないかもしれないっすね。」
試合開始直前、リコと紫苑の目が素早く動く。リコの目には身体能力値が、紫苑の目にはその他全てのことが。
「…?どうしたんだ?監督?」
「(これはちょっとヤバくね?服の上からじゃ全部は見えないけど…てか、軒並み数値高けぇ…フィジカルは完全に負けてるかも…正直流石全国クラスって感じね。こっちも黒子君と火神君がいるとはいえ、あの二人の力がどこまで通用するか…)紫苑ちゃん…どう?」
「はい…監督が思ってるとおりです。数値ははるかに上。でも、黄瀬っちは出てきます。」
「どうしてそう思うの?」
「…挑発されて黙っていられるような人たちではないでしょう?」
意味ありげに笑う紫苑に、リコも頷いた。あれだけ馬鹿にされて黙っていられるほど、誠凛は…大人しくない。コートで暴れるのがうちのスタイル。