第3章 本気です
決着は目に見えていたのだ。無謀にもそれに挑戦してしまった後悔で紫苑は唇をかんだ。
やれることをやるしかない。
視線を黄瀬に戻すと、残念そうに頭の後ろを掻いていた。
黄瀬「うーん。これはちょっとな…」
火神「あ?」
黄瀬「こんな拍子抜けじゃ、やっぱ挨拶だけじゃ帰れないッスわ。」
火神に踵を返すと、黄瀬が笑顔で歩いてきた。
黄瀬「やっぱ、黒子っちとしおりんください。…うちにおいでよ。また一緒にバスケやろ?マジな話黒子っちのことは尊敬してるんスよ。しおりんだっていないと困るッス。こんなところじゃ宝の持ち腐れだって。ね?どうスか?」
黒子「そんな風に言ってもらえるのは光栄です。丁重にお断りさせていただきます。」
黒子の頭が深深と下がる。それに対し紫苑は腕組したまま黄瀬を見つめていた。
黄瀬「文脈おかしくね?そもそもらしくねぇッスよ。勝つことが全てだったじゃん!なんでもっと強いとこ行かないんスか?!」
黒子「…あの時から考えが変わったんです。なにより火神君と約束しました。君達を…キセキの世代を倒すと。」
黄瀬「やっぱらしくねぇッスよ。そんな冗談いうなんて…」
不意に黄瀬の後ろから笑い声が聞こえた。振り返ると火神がにやけている。
火神「ったく、俺のセリフとんなよ黒子!」
黒子「冗談苦手なのは変わっていません。本気です。」