第3章 本気です
紫苑「海常かー。黄瀬っちが来たか…」
買い出しの帰り、正門から続く道は何故か女子で埋まっていた。ふと気付くと目の前に金髪が一人。紫苑は訝しげに思い、女子の間を抜けてその人物に近づいた。
紫苑「(やっぱり黄瀬っち…仕事かな?)」
とりあえず、買ってきた飲み物やら何やらを冷やさないといけないので体育館へと足を向けた。
しかし、黄瀬の目には紫苑を既にとらえていた。白い長い髪と、華奢な体。黄瀬はゆっくりと紫苑に近づくといきなり抱きついた。
黄瀬「し~おり~ん~!」
紫苑「黄瀬っち?!びっくりした…」
離れようとしない黄瀬に少々格闘しながらも紫苑は歩みを止めない。
黄瀬「あれ?冷たいッスねー。しおりん。久しぶりに会ったって言うのに…」
紫苑「ちょっとまってよ。これ置きたいから…」
しぶしぶ紫苑から離れると紫苑は急いで保冷バッグの中を補充し始めた。
タオル。氷。スポーツドリンク。コールドスプレー。サポーター。過激なスポーツであるバスケはいつ何時怪我をするかわからない。その為の準備は万端だ。