第2章 黒子はボクです。
紫苑はついさっき買ってきたばっかのアイスをスプーンに盛ると一口ほおばった。
紫苑「抹茶オレオ。なんかあったから買ってみた。食べる?」
器を差し出すと黒子はそれを受け取った。
黒子「もらいます。」
紫苑は代わりにバニラシェイクを受け取り、一口飲んだ。火神は唖然として口を開けている。
火神「…お前等…恋人か何かか…?」
黒子「違います。」
アイスを紫苑に返し、再びバニラシェイクを手に取る。黒子の目はじっと火神を見つめていた。
火神「じゃぁ、…幼馴染とか…」
黒子は心配そうに紫苑を見た。紫苑はかなしそうにうつむいていた。
黒子「…来てないんですね…」
紫苑「うん。忙しいのかな…?メールもぱったり来なくなって…他の人からはいつも通り来るんだけど、あの人だけはね…」
黒子は火神の方に向き直ると真剣なまなざしで言った。
黒子「あまりこういう話はしないでください。」
火神「…お、おう。…なんかすまなかったな…」
急に場の気分が悪くなり、い心地が悪くなった火神はハンバーガーを一つ投げてよこした。「ほらよ。」
黒子がそれを受け取る。
火神「バスケ弱い奴に興味はねぇ。が、それ一個分くらいは認めてやる。」
黒子はしばらくハンバーガーを見つめると顔をあげた。
黒子「どうも。」
火神「ほらよ。」
火神は寂しげな目をしている紫苑にも一個渡すと、すぐにそっぽを向いた。
紫苑「ありがとう。」