第2章 黒子はボクです。
雨は午後になっても一向に振りやまず、灰色の世界が広がっている。
黒子から話を聞き、猛烈にバスケがしたくてたまらなかった紫苑にいい機会が訪れた。
雨で練習の一部を削った分、時間を持て余したのだ。
「え?ミニゲーム?」
「先輩といきなり?!」
「覚えてるか?入部説明のとき言ってた去年の成績、一年だけで決勝リーグまで言ってるって…」
「マジで?」
「普通じゃねーぞそれ。」
リコの提案に少々腰が引けている様子の一年。まぁ、初めはビビるだろう。いきなり先輩とゲームだなんて恐れ多いにもほどがある。
火神「…ビビるとこじゃねぇよ。相手は弱いより強い方がいいに決まってんだろ。」
火神が自信満々に後ろの紫苑たちに向かっていった。紫苑と黒子はそんな火神の意思が気に行った。
弱いより強い。
強いものが勝つ。
勝利がすべてだった二人には、一時期求める強さがなかった時があった。
そんな二人に火神は新しい風を巻き起こしたようであった。
戦闘モード前回の火神の後姿を緑と紫の済んだ瞳でじっと見つめた。
どうやら、昨日の黒子との勝負が引っかかっているように見える。