第2章 黒子はボクです。
すまなそうに言う黒子。一瞬の沈黙の後、リコは盛大に悲鳴を上げた。いきなり目の前に人がいて話しかけられたのだから無理もない。日向も驚きを隠せないようで声が上ずった。
リコ「何?!いつからいたの?!?!」
黒子「最初からいました。」
リコ「(目の前にいて気づかなかった?!…え?今黒子って言った?え?っていうか、影うっす!!)」
混乱しているリコに黒子はすまなそうに眉根を寄せた。
小金井「え?じゃぁ、つまりこいつがキセキの世代?まさか、レギュラーじゃ…」
日向「それはねぇだろ。ね?黒子君?」
黒子「ん?試合には出てましたけど…」
日向「だよなー…え?」
「「えぇぇぇぇぇぇぇえええええええ!!!」」
日向と小金井の驚きの声が重なる。そんな様子を見ていた紫苑の肩を伊月が軽く叩くとそっと耳打ちをした。
伊月「君も帝光中出身だろ?黒子って本当に試合出てたのか?」
紫苑「はい。出てましたよ。ベンチにもいました。」
そう言うと紫苑は軽くお辞儀をすると、黒子のもとへ駆け寄った。
紫苑「黒子っちミスディレ?」
黒子「違います。試合以外では使いませんよ。」
紫苑「私も途中から見失った…」
黒子「酷いです。紫苑さん。」
唇を尖らせる黒子に紫苑はゴメンゴメンと謝る。そんな二人の様子を見て小金井がつぶやいた一言…
小金井「何?リア充??」
二人の後ろからは火神のねめつけるような視線が投げかけられていた。
火神「(キセキの世代?なんなんだあいつらは??)」
リコ「し、シャツ脱いで!!」
黒子「は、はい。」
大人しくシャツを脱ぎ、リコに任せる。リコの目は今日何度目になるであろう驚きで目を疑った。
黒子の身体能力値は異常なまでに低く、それが限界値だったのだ。