第17章 その黒は、心を支配する。(夜久衛輔)
「ん…ぅ…っ!も、やぁ…!」
部屋に響くのはの苦しみにも似た喘ぎ声と小さな機械音。
の秘部に埋め込まれた小さなソレから延びる細いコード。
その先にあるリモコンは夜久の手の中だ。
夜久のネクタイで背中で縛られた両手は思うように動かない。
あぁ、どうしてこんな。
「あぁ…っ!んぅ…」
部屋に入るなりベッドに押し倒され両手を縛られた。
驚いて抵抗出来ずにいた内にスカートの中の下着を剥ぎ取られそこに夜久の指が這う。
わけはわからなかったが、体は快感に従順で。
あっと言う間に濡れたに夜久は喜ぶどころか眉間に皺を寄せた。
「…イヤっつーわりに、すげぇけど」
「んあっ…!」
ナカに入っていたローターを突然引き抜かれ、は甲高い声をあげた。
「見ろ」
「……っ、」
の顔の前にローターをぶら下げる。
愛液でテラテラと光るそれを恥ずかしくて直視出来ず、は顔を背けた。
「夜久、先輩…なんでこんな……」
想像していた甘さは微塵もなかった。
彼が自分に触れたのはほんの少し。
ローターを入れるために指で秘部を解しただけ。
その後はずっとこの小さな機械に欲しくもない快感を与えられ続けている。
「なんで…?お前が悪いからだろ」
「悪い……?」
「あぁ、お前が他の男に尻尾なんか振ってっから」
「そ、そんな事…!してないです!」
見に覚えのない夜久の言葉にの声は思わず大きくなる。
そんな事するわけないのに、どうして。
悲しくなって涙が浮かぶ。
「…………」
の涙に、夜久は一瞬心が揺らいだ。
泣かせてまで…こんな事する必要があるのか?
グッと唇を噛み締めて目を閉じる。
“悪いのはちゃんだろ?”
「……そうだ」
「夜久、先輩……?ひゃあぁぁっ…!あぁ…!」
再びローターをのナカへ戻す。
出力は最大、急な刺激がを襲う。
夜久の頭に浮かんだのは黒尾の言葉。