第2章 心も体も素直になって。(日向翔陽)
「んっ…姉…っ!待っ…」
「ん…黙って……」
舌を滑り込ませて翔陽の舌を探す。
初めて触れ合ったそれは、僅かに震えていて彼の緊張が伝わってきた。
「翔陽……力抜いて、大丈夫だから」
「…!」
首から腕を離し翔陽の制服のシャツのボタンに手を掛ける。
高校生にこんな事、何だか悪い事をしているみたい。
ボタンを外している間、翔陽はその様子をじっと見ていた。
露になった彼の上半身。
まだまだ子どもだと思っていたのに少し筋肉が付いたみたい。
そっか、バレー頑張ってるって言ってたっけ。
なんて考えていると、
「、姉…」
弱々しい声で私を呼ぶ声が聞こえた。
「姉っ…つ、付き合わないって、言ったのに……」
男子高校生ならこの機に乗っかって甘い蜜を味わっちゃいそうなのに、翔陽はそれをしない。
気持ちをとても大切にしてくれている。
そんな翔陽だから、私も好きなんだ。
「うん、言ったね。でもね、私も翔陽みたいに正直になろうと思ったの」
「正直に……?」
「うん、私も好きよ翔陽…こういう事、したいくらいに」
「えっ…じゃあ俺と、その、付き合ってくれるって事…?」
私はにっこりと笑って「もちろん」と一言。
だから早く私に気持ちをぶつけて欲しい。
たくさん体に刻んで欲しい。
「……翔陽、続きしよ?」
「!!////お、俺っ…こういう事…はっ初めてで…っ!」
「翔陽がしたいようにすればいいの、私もそれが嬉しいから」
「……う、うん…!///」
スルリと自分で服を脱いで翔陽と向かい合う。
なのに彼の目は泳いでばかりでちっとも視線が合わない。
「翔陽、ちゃんと見て…触って?」
「////!?」
翔陽の手を取って自分のお腹に乗せる。
ゴクンと唾を飲み込む音が聞こえた。
恐る恐る手を動かし始めて、彼の手は胸へとたどりつく。
下着越しに伝わる翔陽の体温。
「んっ…」
指が不意に頂に引っ掛かる。
「ご、ごめん!痛かった…?」
「違うよ、翔陽に触られて気持ち良いの…言ったでしょ?好きにして良いって…」
「……姉…!!」
タカが外れるとはきっとこの事を言うんだと思った。