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【R18】秘密の恋愛。

第3章 デート?


出会ってから約12時間。彼の性格がだんだんわかってきた。

まず優しい。でも、本物の優しさというより、どこか手馴れているという感じがする。

…私以外にもそういう風に接するのかな…。

ってあれ?私なんでそんなこと気にするんだろう…?

まあ、なんでもいいのだが。


私は中学、高校を女子しかいないところに通っていた。

いわゆる女子校である。

思春期を女子に囲まれ過ごしたので、男性には少し抵抗がある。

社会人となって会社勤めになった今でもあまり話したくはないし、話したとしても会話は続かない。

今でも、男性である隼さんと2人で過ごしているのは自分でも夢なのではないかと思える。

…夢?

あぁ、そうか。これは夢なのではないか?

頰をつねってみればわかる。さあやってみよう…

と、試しにつねってみると案の定痛かった。

わかっていたけど…!わかってたけど!ちょっと夢であることに期待を寄せた自分が恥ずかしくなる。

「ふふ、どうしたの?頰なんかつねっちゃって。」

後ろから、トレーに乗った数々の食品を持って隼さんが現れた。

『いや、別になんでもないです…』

「えー?でも僕が買いに行ってる時1人で悶々としてたじゃない」

彼は私の向かいに腰を下ろし、トレーを置いて肘をつき、顔に手を当てニヤニヤとしている。

『バカにしてますよね?』

「いいやぁそんなわけないだろーう」

棒読みで吐いたその言葉と顔が一致していない。



「可愛いなぁ…」

『…え?』

聞き間違えだろうか。“可愛い”と言われたような気がする。

「…なんでもないよ。お姫様、さあ、お昼にしましょう」

隼さんは手をパッと広げて卓上のトレーに目をやった。

気にしなくて…いいってこと?

私はお腹が空いていて、目前のご飯に気が行ってしまい、それをもう気にすることはいつの間にかやめていた。
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