【HQ】光の射す世界【Egoist✕光など無い世界】
第1章 日常の中の非日常(及川視点)
園子ちゃんと話をしていくうちに、一つの過程が生まれた。まあ、そんな漫画みたいな非現実的な話、あってたまるかと思ったけど、彼女の持つ拳銃がそれを事実であると物語っている。普通の女子高生が、拳銃なんか手に入れられる訳ないし。
「まあ、パラレルワールドって奴だろうな。」
「やめて岩ちゃん口にしないで。頭痛くなる。」
「普通に考えて、それしかないだろ。」
「いや、そもそもその考え方が普通じゃないから。パラレルワールドにトリップなんてそんな漫画じゃないんだから。」
「にしても、園子の世界では俺らマフィアなんてなんかカッケーな!」
岩ちゃんはこういう話割と好きだからな。未だに怪獣ものとか好きだし。良くいえば少年の心を忘れない。悪く言えば、子供っぽい。
「パラレルワールドなんてそんなもの実在するなんて。」
「俺だって信じたくないけど、この世界では、俺も岩ちゃんもマフィアなんかじゃなくてただの高校生。」
「…こんな事って、」
今置かれた状況を理解したのか園子ちゃんは深刻そうな顔をした。まあ、確かに、誰も知らない見ず知らずの土地、というか世界に自分一人そこにポンと放り込まれたら不安にもなるよね。
「顔、青いぞ。大丈夫か?」
そう言って岩ちゃんは園子ちゃんの頬に触れた。岩ちゃんのこういう所は天然なのだろうか。まあ、岩ちゃんがこういうの計算とかして出来るとは思えないけど。天然恐ろしい。
「岩泉さんはこっちの世界でも変わらないですね。」
その岩ちゃんの行動に、園子ちゃんは安心したようだった。まさか、向こうの岩ちゃんもこんな感じなの?
「てか、これから俺ら部活だし、どーすんだ?」
「どーすんだも何もこのまま園子ちゃん置いておく訳には行かないでしょ。」
「監督になんて言うんだよ。」
「臨時マネージャー?」
「まあ、それしかないわな。」
こうして、俺の非日常的な生活が始まった。