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【HQ】光の射す世界【Egoist✕光など無い世界】

第1章 日常の中の非日常(及川視点)


「及川!朝からうるせーぞ!」


 勢いよく部屋の扉が開いた。開いた扉の向こうには岩ちゃん。ヤバい。岩ちゃんまで殺られてしまう。多分この子はあれだ。殺人犯とかなんかそういう危ない感じ。きっと何処かで殺人を犯し、逃亡中、たまたま俺の部屋に入って、そしてついうっかり寝ちゃってってパターンだ。


「岩ちゃん逃げ」「クソ川テメー部活前に何女の子連れ込んでんだボケ!」


 岩ちゃんの身を案ずる俺に岩ちゃんの拳が顔面にヒットした。


「ちょっと岩ちゃん!俺の綺麗な顔に傷がついたら、女の子達が悲しむでしょ!」
「もっかい殴ってやろうか?」


 さっきまで敵意剥き出しで俺に銃口を向けていた彼女は、岩ちゃんの姿を見て驚いた顔をしていた。まさか、岩ちゃんに一目惚れとか?いや、ダメダメ絶対ダメ。岩ちゃんは女の子にモテたらダメなの。岩ちゃんに彼女とかそういうのいらないから。


「なんで、岩泉さんが、」


 彼女の口から岩ちゃんの名前が出てきた事に驚いた。どうして彼女は俺と、岩ちゃんの事を知ってるんだ?


「なんで俺の名前知ってんだ?」
「…違う、あなたも岩泉さんじゃない、」


 困惑した様子の彼女。銃は握っているものの、こちらにそれは向けられていない。話すなら、今がチャンスかもしれない。いや、でも殺人犯かもしれない彼女に何を話せば。


「お前名前は?」
「…園子。花村園子。」


 彼女の名前を聞いてうーんと考え込む岩ちゃん。名前を聞いても俺もピンとくる人物はいない。恐らく俺達は初対面。まあ、銃なんか持ってる危ない子と面識があったらそれはそれで怖い。


「お前の言う及川と岩泉って奴らはどういう奴なんだ?」
「及川さんはうちの首領で、岩泉さんはうちのNo.2。」
「え、ちょっと待ってちょっと待って。」


 聞きなれない単語に話を中断させる。


「首領とか、No.2ってどういう意味?」
「マフィア。」


 うん、頭が痛くなってきた。



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