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【HQ】光の射す世界【Egoist✕光など無い世界】

第2章 平行世界の彼等


 部活が終わり、さあ帰ろうという時、俺は一体何処に帰ればいいのか。元の世界に帰れるのなら帰るが、来た方法も分からないのに帰れるわけがない。


「園子ちゃん帰ろう。」


 そんな俺の心配をよそに、そう声を掛けてくる徹。


「おいクソ川。帰るって、園子どうすんだよ。」
「どうするも何も、ここではい、さようならなんて出来ないでしょ。ウチに連れて帰るよ。」
「俺も行く。つーか泊まる。」
「え?なんで?」
「お前が変な事しないように見張る為だボケ。」
「何もしないよ!信用ないなーもう!」


 岩泉さんと揉めていたかと思うと、ほんとに何もしないからね!と俺に言う徹。別に俺は何も言ってないし、特に何も思ってはいなかった。そもそもそういう発想に思い至らなかった。徹が相手だから安心していたというより、俺に手を出す度胸なんて徹にはないだろうと思ったというのが正しい。今朝の件については俺自身も驚いた。普段ならば、気配ですぐに目を覚ます。なのに、今日に限ってはぐっすり眠っていた訳だから。


「莉緒ちゃんはどうするの?」
「国見と金田一に頼む。お前と園子二人きりにさせんのは心配だからな。」
「俺、どれだけ信用ないの!?」


 別れ際に橋口にまた一緒にバレーしようね、と声を掛けられたが、その〝また〟が訪れるのか定かなかった為、曖昧な返事をした。



 
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