【HQ】光の射す世界【Egoist✕光など無い世界】
第2章 平行世界の彼等
徹の家に三人で帰宅した。徹の家には徹の母親がおり、その母親に、バレー部のマネージャーであると紹介し、俺が家の鍵を忘れ親が帰ってくるのが夜遅い為、親が帰ってくるまで家にいると説明をし、徹の母親はそれに納得したようだった。部活の時に監督とコーチに説明した時もだが、よくもまあ、次から次に嘘が思い付くものだ。
徹の母親も交え夕食を済ませ、お風呂をか借り、その後は徹の部屋で過ごした。
「いやーやっぱりさ、彼シャツっていいね。」
着替えがなかった俺は徹から服を借りた。体格差がある為、服に着られるような形となった不格好な俺を見て徹はそう言った。
「風呂上りっていうのもいいよね。」
「黙れ。」
「痛い!岩ちゃん痛いから!」
岩泉さんに関節技をかけられ、悲鳴をあげる徹。その光景は、いつも見慣れた光景と酷似していて安心する。
「あ、そうだ園子ちゃん。園子ちゃんの世界での事教えてよ。」
「え?」
「俺ら園子ちゃんと一緒にいるんでしょ?違う世界の自分っめて気になるじゃん。」
徹にそう言われ、俺の知る限りの二人の関係や、セイジョウと対立しているマフィアの存在について話した。徹と岩泉さんも幼馴染みならしく、及川さんと岩泉さんが幼馴染みである事を話した時、徹は喜んでいた。俺と岩ちゃんは運命共同体だね、なんて言うと、岩泉さんは不愉快そうな表情を浮かべ、違う世界の方でも俺に面倒かけんなと悪態をついていたが、多分こっちの岩泉さんもそう言いながらも、徹の事を信頼しているのだろうと。俺の世界にいる岩泉さんと一緒で。