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【HQ】光の射す世界【Egoist✕光など無い世界】

第2章 平行世界の彼等


 眼帯を外すと視界がクリアになり、さっきよりボールとの距離感が掴みやすい。だが、皆と同じようにボールを扱えず、気が付けばバレーボールを必死で追いかけていた。

 23-25

 負けてしまったが、なんだか終わった後は心がすっきりしていた。


「園子ちゃん初めてなのに凄いね。」
「皆のように上手くいかなかった。」
「私達は昔からやってるから。その経験の差を一ゲームで埋められたら流石に凹むよ。」
「バレー楽しかった?」
「…ああ、そうだな。楽しかったと思う。」
「男女混合のチームだったけど、私も久しぶりに同年代の女の子とゲーム出来て楽しかった。ありがとう。」


 そう言うと、莉緒は岩泉さんに呼ばれ岩泉さんの元へ走って行った。そして、それと入れ替わるように俺の元へやって来た徹。


「体動かしたら少しはスッキリしたんじゃない?」
「え?」
「園子ちゃんずっと難しい顔してるからさ。」


 もしかして俺に気を遣って…?


「大丈夫、なんて無責任な事は言えないけど、こうやって出逢ったのも何かの縁だし、園子ちゃんがこっちにいる間は俺が責任を持って面倒見るから。だから一人でなんでも抱え込まないでね。」


 徹の大きな手が私の頭をくしゃくしゃと撫でた。それに心が温かくなった。
 血に染まらない、争いのない世界。俺の世界が光の無い世界、闇だとするならば、こちらの世界は光の指す世界…と言った所か。


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