第5章 肝心なのは…
「今日のミニゲームのメンバー発表をする」
そう言って、キャプテンが発表し始めた
Aチームには、先輩たち
Bチームには、一、徹、一静、貴大などの1年
という、1年の力試しのようなチームだった
一と徹は昔からバレーをやっているから、阿吽の呼吸のようなものがあるけど、一静と貴大はどうなんだろう
きっと、徹のことだから、すぐにどんなメンバーでも最大限の力を引き出してしまうんだろう
今日は初めて私が簡単なスコアを書く日だ
今まで、つけられていまものを見たことはあっても自分で書いたことがなかったから、少し緊張する
倉庫から、スコアをつけるための道具などが入っている袋を持ってきて紙とクリップボードをだして試合の邪魔にならないように試合に出ない部員たちと固まって座った
私から見ると、1年チームは左側、サーブは先輩たちからだ
公平にジャンケンして決めたみたいだ
「みんな、絶対勝つよ」
「「「おぅ」」」
中学の時と変わりなく、徹はコートの中に入ると別人に変わる
でも、この1年チームと先輩たちのチームでは大きく差がある…
それは、1年チームに"リベロ"がいないということ
先輩たちは容赦のないスタメンのメンバーらしい…
前のスコアを今見ると同じ人がコートに入っている
「ねぇ〜 真輝ちゃん
なんで、先輩たちのチームにはビブスをつけた人が1人いるの?」
そう、その人こそがリベロ
「それは、リベロって言って攻撃できない守備専門の選手なんだよね」
「守備専門?」
「アタックとかができなくて、交代制なんだ
よく使われる戦略的には、レシーブが苦手な選手が後衛に回って来たときに交代するの
唯一、選手交代とかを申請しなくても自由にコートを出入りできる選手なんだよね
コーチの指示とか、入った時に伝えたりできるしね
よくコートを行ったり来たりするから、試合では一目みて分かるように1人だけ違うユニフォーム着てる人がリベロだね」