第1章 変わらない場所
「今年こそ、牛若に勝たなきゃだもんね〜
ちゃんと、応援しててあげるよ〜」
「じゃぁ、真輝ちゃん、マネージャーやってよ!
噂によると、ここの男子バレー部、女子マネージャーいないらしいんだよね」
「おっ、おい! 及川! 何言ってんだ‼︎‼︎」
そう言って、一は徹を蹴った
「岩ちゃん、いきなり蹴るなんてひどいよ〜」
「お前の方がいきなりだっただろ⁉︎」
「……ふっ… ははは……」
高校生になっても変わらない2人のやりとりを見るとなんだかホッとしてなんだか無性に面白くて笑いを堪えられなかった
「お前、何笑ってんだよ…」
「そーだよ! なんにも面白いことなんて無かったよ?」
「……だって、何にも変わらないんだもん……ははは……」
笑いがまだ止まらなくて途切れ途切れになりながら言った
「なんで、変わるんだよ
数日会ってないだけだろ?」
「なんか、高校生って大人に見えない?」
「まぁ、昔はそう思ったこともあったかもな」
「でしょ? なのに、2人とも中学時代のまんまなんだもん」
「そんなすぐに変われるかよ!」
「真輝ちゃんだって、華のJKでしょ?
華のJKは華が散るようにあっという間に過ぎるんだから、充実したJKライフ送るためにマネージャーしよっ☆」
「何でそこにたどり着くんだよ! クソ川‼︎‼︎」
「なんで、いっつも略すの⁉︎
てか、もうちょっと岩ちゃんは語彙増やした方がいいよ〜☆」
「クソ川、一回死んでこい!!!」
そう言いながら、一が徹を蹴った