第4章 初!マネージャー
及川side
「この前も思ったけど、影山って何者なんだ?
あいつ……」
真輝ちゃんの話を先輩たちがしていて、いい話かなぁ〜♪なんて思っていたら、
「マネージャーなのに、俺らよりもレシーブ上手いってほんとに腹立つよな」
「そーなんだよなぁ
しかも、返すのは絶対セッターの及川だよな
あの正確感が尚更腹立つよな」
………もう、そんな話聞き飽きた…
この話をしていた先輩は、ウイングスパイカー
レシーブの練習を主にしているのも知っている
誰も真輝ちゃんがバレーをしていたことも、昔なんと呼ばれていたのかも知らない……
ここなら、真輝ちゃんが素直にただただバレーが楽しいものだったってことを思い出せると思ったのに……
そう思って、真輝ちゃんの姿を探すと、マッキーが話しかけていた
マッキーは、真輝ちゃんのこと知らないはず……
何をしゃべっているんだろう……
こういうことに対しては、真輝ちゃんは、とても敏感だ
マッキーと話し終わった時に歩き出していたから、大丈夫かと思って歩き出そうとすると、ステージの前あたりで崩れ落ちるように座り込んだ真輝ちゃんが見えた
その瞬間見えた顔は、良くないように見えた
真輝ちゃんに向かって歩いていくと、
「……私が悪いの?
………私のせいなの?
………私はどうすればいい?」
と、近づいてみると呟いているのが分かった
これは、本気でヤバイと思ったけど、どうしていいのか俺には分からなくて、でもどうにかしてやりたいと心の底から思った
もう、俺にはこれしか思い浮かばなくて、真輝ちゃんを抱きしめた