第4章 初!マネージャー
真輝ちゃんの体は、ものすごく震えていて、心なしか体温が低いように感じられた
「大丈夫、大丈夫だから……
真輝ちゃんは、真輝ちゃんのままでいい」
そう、ずっと呟き続けた
そんなことしか出来ない自分がものすごく腹立たしかった
少しすると、落ち着いたのか、真輝ちゃんの震えは止まっていて、
「……ごめん…」
と、震えていて、消え入りそうな声がした
「俺が聞きたいのはそんな言葉じゃないなぁ〜」
そんな声でそんな言葉、もう聞きたくない……
少しでも彼女を取り巻く空気を明るくしたくて少しふざけたように言った。
でも、これは俺の心を正気に保っておくための自己防衛の行動でもあった
「と、徹………ぁ ありがとう…」
「うん!
それが聞きたかった!」
俺よりも、やっぽど真輝ちゃんは、苦しいはず…
俺が泣きそうになっちゃだめだ
俺ができることは、今、少しでも心を軽くしてあげられるように努力するだけだ
「もう、大丈夫だから……」
「うん」
さっきの言葉は、もう、この体勢を辞めたいってことなんだろうけど、少しとぼけてみせると、肩を少し押してきた
もう、体の震えもないし、声も震えてない
……よかった…
「もう少しこのままでも良かったのに〜」
「私も徹も着替えなきゃダメでしょ」
「そーだね」
岩ちゃんは、こうなっていることを予測したんだろうな
もう、この体育館には誰もいない
もう、彼女の泣き顔や自分を卑下するような言葉を彼女の口からもう聞きたくない……