第4章 初!マネージャー
朝練が終わってから、何人かの先輩に睨まれた……
私、何かした⁉︎
スポドリ美味しくなかった⁉︎
ボール拾いで何かしたかな…… 特に何もしてないはずなんだけど……
すると、
「どーかしたか?」
と、貴大が声をかけてきた
なにも知らない貴大が気付くくらい酷い顔をしていたんだろうか…
「なんで?」
あくまでも、いつも通りに……
「いや、急に止まるから……」
あっ そういうことか
「うんん…
……あのさ、先輩、私のこと睨んでなかった?
自意識過剰かな?」
誰かに否定して欲しかった……
違うよって言って欲しかった……
「俺、先輩とか見てないから分からないけど、真輝が何もしてないなら睨まれることなんて無いんじゃないの?」
「そーだよね……」
心配かけたくなくて、とりあえず倉庫に向かって歩いた
私が悪くないのに、睨まれる……
"ほんと、あいつ腹立つよね"
"私たちのためにボールだけ取ってればいいのに"
"仲間とか思わないでほしいよね ほんと、迷惑"
………嫌だ…
またそれは嫌だ……
もう、繰り返さないって決めたじゃない…
「………ゃん? ………ちゃん? 真輝ちゃん?」
目の前には、徹がいた
いつの間にか私は体育館のステージの前で座り込んでいたみたいだ
大して何もしていないのに、背中には嫌な汗が流れている
きっと、ひどい顔をしているんだろう
すると、ふわっとした感覚の後に少し湿った体操服越しに筋肉質な何かが顔に当たった
……t……………………今、私は徹に抱きしめられている………?
「大丈夫、大丈夫だから…
真輝ちゃんは、真輝ちゃんのままでいい…」
どれくらいの間、こうされていたのか分からなかったけど、だんだん落ち着いてきた