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ひとつだけ 【ハイキュー!!】

第4章 再会





ちょっとごめん、電話に出ようとした赤葦さんの動きが一瞬止まる。
図書館での電話は、さすがに躊躇われたらしい。




「誰もいないですし、いいですよ」



片手を顔の前にかざして謝りながら彼が出た電話からは、私にまで聞こえるほど大きな声がした。


眉をひそめて耳から携帯を離しながら会話する赤葦さん。
さすがに何を言っているかまではわからないけど、相手はずいぶん賑やかな人らしい。



すぐ行きます、そういって電話を切った彼がこっちを向く。






「…大丈夫ですか?」

耳、痛そうですけど。



「大丈夫。主将から早くトス上げに来いって催促されただけだから。」



どうやら私の聞いた「大丈夫」は別の意味に捉えられたらしい。

というか、赤葦さんって部活やってたんだ……しかも「トス」ってことはきっと運動部。
図書館に来るぐらいだから、勝手に帰宅部か文化部だと思ってました。




「まぁ機嫌損ねると面倒な人だから、早く行かないと大丈夫じゃなくなるかな。」



そういって床に置いていた荷物を持つ赤葦さん。
こ、こういう時って何か言った方がいいのかな…?



「あ、あの……熱中症には気をつけてください…。」


悩んだ末に出てきたのは、最近 先生が口を酸っぱくして言ってる定番のセリフ。

そんな言葉にも 室内だからまだマシかな、 と真面目に返してくれた。




「また来るから、その時はよろしく。」




そのまま、赤葦さんは図書館から去っていった。

………なんだか、嵐のような数分間だったな……



















あっ!!
っていうか!!!








「あの!!!
本とカード!!!忘れてま…す……よ………」





時既に遅し。


私がそのことに気がついた時には、もう彼の姿はとうに見えなくなってた。






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