第2章 〜春、桜と君と。〜
少し歩くと、赤葦の家が見えた。
すると、赤葦は
「今日は俺の家誰もいないですから、泊まっていきますか?」
と、優梨に問いかける。
優梨は、「それじゃあ、お邪魔しようかな。」と
答えた。
そうして、歩いているうちに家に着く。
ガチャ、と赤葦は自宅の鍵を開け、どうぞ。と優梨を招き入れる。
「お邪魔しまーす…。」と中に入った優梨に、赤葦は、
「飲み物持って行きますから、先に俺の部屋に入ってて下さいね。あ、俺の部屋は2階に上がった突き当たりですから。」といってキッチンへと歩いていった。
優梨は、赤葦の部屋に入り、びっくりした。
こんなに綺麗なお部屋があるのだろうか、と。
窓際に置かれた小さなソファ、その正面にあるテレビ。そして綺麗に整理整頓されている本棚と勉強机。
どれを取っても、綺麗だった。 そして、そんな部屋からは彼の綺麗好きな性格が伺えた。
そんな事を考えているうちに、赤葦は自室に飲み物を持って来た。先程飲み物を用意している時に着替えたのか、見慣れている制服から、ジーンズとシャツというラフな格好になっていた。
優梨の目には、そんな赤葦でさえも格好良く映る。 シャワーを浴びて、少し濡れた髪をタオルで無造作に拭く姿に優梨は見惚れていた。
「先輩、見つめるのやめて貰っていいですか?俺もそろそろ恥ずかしいんで///」
優梨は、赤葦にそんな事を言われて自分が何をやっているかを理解した。
理解して数秒後…。
優梨は見事に顔が真っ赤に染まっていた。その姿はまるで赤く熟れた林檎のようだった。
赤葦は、自分の彼女がこんなに真っ赤になるのは見ていて可愛いと思っていた。
自分の部屋のソファの上で、身体を丸め真っ赤になっているーー、
そんな優梨の姿に、我慢しきれなくなった赤葦は、優梨の身体を優しく押し倒し、
そしてーーー。