第3章 〜I’m Lovin You!〜
タッタッタッ。
優梨を抱き上げた光太郎の足が、テンポよく動く。空を駆けるかのように、軽やかに。
光太郎がダッシュを始めて間もなく、駅についてしまった。会場からここまで、10分はかかるのに、電車が来る前についてしまった。
あぁ。光太郎は、やっぱり格好いいなぁ。
優梨は、そう感じた。
それから間もなくして、電車がホームにやって来た。
2人は、電車に乗り込み、隣同士に座る。
そんな当たり前のようなことでさえ、優梨は、幸せだなぁと感じ、光太郎の頭の中は、既に、煩悩でいっぱいいっぱいだった。
そんなこともつゆ知らず、優梨は、疲れたのか、光太郎の肩に、頭を預けて眠りについてしまった。
優梨が、眠ってしまったことに気がついた光太郎の頰は、その寝顔を見て、赤く染まっていた。
あいにく、なのか、はたまたラッキーなのか。
2人が乗っている車両には、2人以外誰もいなかった。
だから、光太郎は、キスをする。
ちゅっ…
わざとらしく、音を立ててキスをすると、優梨は、慌てた様に跳ね起きた。
優梨は、慌てて起こそうとした身体を、光太郎に押さえ付けられ、キスをされ続けた。
角度を変えて、何度も、何度も。
繰り返し、繰り返し。
甘い、甘い、光太郎の唇は、とても気持ちよかった。