第6章 踏み出す勇気
すずside
握られた手がじんじんと痛む…
けどそんなことはどうでもいい
だってすばるくんがいないから……
目の前からすばるくんがいなくなって
「勘違い…されちゃい…ましまね(笑)」
そう呟いた声はひどく震えてて
"あぁ…私泣いてるんだ…"
なんて他人事みたいに
感じてる自分がいる……
横山さんが
心配そうに私の顔を覗き込んで
何かをしゃべってる…
丸山さんの手がほっぺたに触れてる…
でも何も感じないし…
何も聞こえない…
でも突然………
「す…ず…すずちゃん!!」
そう私の名前を呼ぶ声と
ほっぺたに走るビリビリした痛みに
ぼんやりと鈍っていた意識が
無理やり現実に引き戻された………