第6章 踏み出す勇気
「やめろ………」
そう呟いた声は
すずには届かなくて
すずはまだ丸の裸の体に触れて
心配そうに丸を見つめる…
あぁ…やばいキレてしまう……
そう思った時にはもう遅くて
「やめろって言うてるやろ!?」
そんな怒鳴り声と一緒に
「痛………」
そんな小さなすずの声に気付いた時には
真っ赤になるほど
すずの手を握りしめてしまっていて
「すばる…」
そう俺の名前を呼び
たしなめるようにふわりと触れる横の手に
我に返った俺は…
「悪い………」
そう小さく呟いて
下を向いたまま一人
楽屋から逃げ出していた…………