第2章 ストーカーとの距離
さっきよりも少しゆっくりと歩きながら
ちらりと俺の後ろを盗み見ると
ストーカーはトマトみたいな赤い顔のまま
必死に涙を止めようと目を擦りまくっていて
うん…なんか擦りすぎて目がヤバイことに
なってるわ…(笑)
そんな軽くひどい顔になりかけてるストーカーに
「なぁ…お前…もうそろそろ目擦るんやめとかんと明日恐ろしいことになるぞ(笑)?」
そう前を向いたまま声をかけると
「へ…?あ…はい。
確かにすでにすごく痛いかも(笑)」
なんて真っ赤になった瞼を押さえて
へらへらと笑う……
「家帰ったらちゃんと目冷やせよ?」
「はい!」
ストーカーが
あまりに素直に嬉しそうに返事をするから
ついつい少しからかいたくなって
「後…手繋いだぐらいでいちいち泣くな!
今すぐ泣き止まへんとこれから先お前には俺のけつしか見せへんぞ(笑)?」
そう言って振り向いてみたら
ストーカーは繋いでいた手を離し
すごい勢いで自分のほっぺたをパシりと叩き
「も…う泣いてません!
すばるくんならおしりだけでも素敵ですけど…
出来れば顔も見たいです!!」
叩いた勢いで止まった涙の残りを
ごしごしと手でぬぐいながら
真面目な顔で俺に懇願した(笑)