第2章 ストーカーとの距離
ストーカーを引っ張り歩き出したものの
そう言えば俺はどこに向かってるんや?
なんて至極当たり前の疑問が頭に浮かび上がる。
勢いよく歩き出したくせに
今さら道を聞くんも恥ずかしいけど
このままじゃらちが明かん!
仕方なく足を止め
「お前の家はどこやね…?」
そう言って振り返った俺の目に入ってきたんは
涙でぐちゃぐちゃの顔をしたストーカーの顔で
そんなストーカーを見て驚いてる俺に
「す…びません………あの…嬉しくて…つい…
家はこの先のコンビニを…曲がったらすぐなんで…」
なんて鼻声で言うと
涙でぐちゃぐちゃの顔を
必死に空いてる左手で擦った………