第2章 ストーカーとの距離
気まずい食事が終わって
一歩店の外に足を踏み出したら
驚くほどに空気がうまく感じる(笑)
やっとストーカーのあの重い視線から解放されて
家に帰れる!!
そう思って
「じゃあお疲れー」
なんて軽快に足を踏み出したものの
人生はそんなに俺に甘くはないみたいで……
「すばるくんがすずちゃんのこと送ったげて?」
そんな丸のあり得ない言葉に
がっつり足止めを食らうはめになる…(涙)
「はぁ?なんで俺が?」
そう苛立ちを隠しもせず眉間にシワを寄せる俺に
「だって俺が送ろうと思ったんやけど
すずちゃんが一人で帰るって言うこと聞かへんから…こんな時間に女の子一人で帰らすわけいかんしさ、すずちゃんもすばるくんの言うことなら聞くから…お願い!!」
なんて丸はこっそりと耳打ちをしてくる…
はぁ…めんどくさい…………
やっとこの気まず過ぎる雰囲気から解放されると思ったのに。
本音を言うたら
ストーカーがどうなろうとしったこっちゃない。
でももし俺が送らんせいで何かあったら
寝覚めが悪いんは確かや………(涙)
そんなどうしようもない結論に達した俺は
仕方なく
黙ったまま俺を見つめるストーカーの手を引っ張り
地面に向かって小さく舌打ちをし
早足に歩き出した……