第2章 ストーカーとの距離
すずside
「店長…今日恐ろしく暇なんで帰ってもいいですか…?」
そう店の奥でお菓子を食べながら
大好きな韓国ドラマを堪能中の店長に
声をかけると…
「いやいや…恐ろしく暇やけどあかんよ?
だって従業員一人しかいてないのに
すず帰ったら俺店出なあかんやんか?
いつもライブとかさ番組協力やら観覧やらは
しゃーなしで休ませたげてるんやからさ
暇なぐらいは我慢してもらわんとさ…」
なんて長々とお説教を食らうはめになる…(涙)
だから急いで
「はい…すいませんでした!
いつめ店長には感謝してますんで
どうぞ奥でごゆっくりしてください!」
店長のお説教を遮り
「あ…そう?
じゃあよろしく(笑)」
なんてなんとか機嫌をなおした店長を
店の奥に追いやり
でっかいため息をつきながら
店の中を見回し
商品の古本をペラペラめくると
めくる度に匂う古本の匂いが鼻をくすぐって
なんともいえず落ち着く…。
私がこんな適当な店長がいる店で働く理由。
それはこの古本の匂いが
店長の適当さを差し引いてあまりがあるぐらい大好きだからなんだ(笑)