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My Favourite Things

第2章 故郷の色【イゾウ】


そう、おかあさんはワノクニの出身だった。
外海との関わりを絶っているあの国の事をあたしは殆ど知らない。

知っているのは、おかあさんが生きるにはあの国は窮屈だったって事くらい。伝統、常識、考え方、島や国によってそれらは変わっていくものだけど 母親にはそれらを受け入れることができなかったらしい。



「ねぇ、下で隊長達の手配書見てるから ヒイロも行こ!いい男いるかなー?」

『着替えたら行く』

サッと着替えると、さっきの不愉快な気持ちごと破けた服をゴミ箱に投げ入れて店の方へ降りて行った。

白ひげ海賊団はこの島にどのくらい滞在するんだろう?数日?それとも数ヶ月?
滞在が長いならば馴染みのお客を作った方がいいんだろうななんて思いながら降りて行くと、従業員の女の子たちは手配書を見ながら大騒ぎしていた。

「何この金額!」

「やっぱり四皇のクルーになると懸賞金の額がとんでもないわね。」

「ヤバい、見慣れない数字過ぎていくらかわかんない。何この0の数!」

『顔の確認してるんじゃないの?』

「ヒイロー、見てよこの懸賞金!」

そう言われて金額の部分が目の前に突き付けられた。あたしは顔だけ見れたらそれで良いんだけど…

『ぁー確かにとんでもない額だけど、うちら賞金稼ぎでもないし とりあえず隊長達の顔見せてよ』

そう言って目の前の手配書の束を掴んで引き寄せた。
パラパラと手配書をめくっていくと、隊長達は年上が多いことに気づく。うーん、今日はあたしお呼びじゃないかもしれない。
年上の男って若い女の子が良いって人と、オトナの女が良いって人と別れるからなぁ
だけどあたしの勘だと、彼らはオトナの女が好きな気がする。ママのお店に小さい頃から出入りしてたせいかお客の好みに対する勘は結構自信がある。

『今日はお姉様方が忙しく…』

そう言いかけて手配書をめくっていた手が止まった。
あれ?リーゼント?
パラっともう一枚めくるとパイナップル…
まさかと思いながら残りの手配書をパラパラとめくっていくと最後にキモノを着た男が写っていた。
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