第2章 故郷の色【イゾウ】
「お!めちゃくちゃ素直!」
「早くヤろうぜ」
「やべぇ、興奮してきた」
そうは言ってもこのバカ野郎共に、カサブランカのルールを守らせなければならない。
『ねぇ、遊ぶのは良いんだけどお願いがあるの』
「何だよ?」
『三人ともゴム着けてくれる?』
「持ってねぇよ、そんなもん」
『あたし持って「まぁ、そんな事後で考えようぜ」
こっちの言葉を遮ると、一人があたしの肩を抱いてきた。
『ちょっと待って!するのは別にいいからちゃんとゴム着けてよ!』
「あー怒ったカオも可愛い」
「別に良いだろ、着けなくたって。そういう客もいっぱい居んだろ?」
ナマでさせてチップ多めに貰っているコが居ないとは言えない。
大体こういう仕事をするって事は、大なり小なり事情があるはずだからお金が必要っていう人は多い。
でも、あたしはこの仕事始めてからお客にナマでさせた事ないんだよ!ふざけんな!
どうせ金払うつもりも無い奴らになんでそこまでさせなきゃなんないの!
考え出したら怒りで手が震えてきた。
「あれ?震えてんの?もしかして三人相手にするのとか初めて?」
「大丈夫、大丈夫。気持ち良いが三倍になるんだぜ」
「良過ぎて癖になるかもな?そしたらまたオレ達が相手してやるよ」
あたしの感情なんてさらさら無視したコトバが飛び交う。
あぁ、もうどうとでもなればいい。弱い者は強い者に虐げられて生きていくしかないんだ。
耳から入る雑音を聞き流し、終わりを待とう。一回ずつ出せば満足するだろう。
路地の片隅に積み上げられた木箱の上に乱暴に体を横たわらせると、こちらが無抵抗なのに服を引き裂かれ辺りにボタンが飛び散った。
あぁ、こんな格好で帰ったらママが大騒ぎするだろうな…