第14章 月の光*黒子
「…?どうしたの?」
「ボクの名前、覚えててくれてるんですね。しかもテツって…//」
影が薄いのは自分でもよくわかっている。
名前なんて覚えられていないと思ってた。
「もちろん♪…テツくんっていや、だった?」
彼女の少し困った笑顔がとても可愛らしく思った。
「いえ。嬉しいです。」
そう言って、手をさしのべた。
茶倉さんはボクの手をギュッと握って立ち上がった。
「ありがとう、テツくん!」
彼女が触れた部分は、ほんのりと熱を帯びた。
「それにしても、自主練なんて凄いね!部活の練習も大変なのに…」
「早くレギュラーになりたいんです。…約束があるので。」
「約束、かぁ。…私も手伝いたい!自主練、私でよければ付き合うよ!」
そうしてボクたちの自主練は始まった。