第2章 入学*茶倉
入学式。
(なんで…どこの学校も共通なんだろ…)
ぼんやりとした頭でそんなことを思った。
どこの学校でも同じこと。
…それは校長先生の話の長さだ。
私の周りだけなのだろうか?
いや、違うはず。
きっとどの学校もそうなはず。
そうでなければ不公平な感じがする、なんて言ってしまうと話してくれている校長先生に失礼かもしれないが。
初めは真面目に聞いていたものの、飽きてしまった。
しかも飽きてしまうと何故か睡魔に襲われる。
そのまま捕まってしまえば、初めから目立つことは必至である。それはなんとしても避けたい。
だからこれからの生活を考えることにした。
(担任の先生誰かな?)
新入生から離れた場所にいる先生方を盗み見る。
ベテランから新人まで、態度も様々だった。
(勉強ついていけるといいんだけど…)
教室に積まれていた教科書の山を思い出す。
あれを全部やるのかと思うと…。
(友達も…私、人見知りだけど大丈夫かな?)
今度は私と同じ新入生を眺める。
同い年の筈なのに、性別も見た目も、そしてきっと性格も…様々で面白い。
そんなことを考えているうちに講堂には拍手が響いていた。どうやら校長先生の話が終わったらしい。
私も慌てて拍手する。
「続いて、新入生代表のあいさつ。」
その声に合わせてひとりの新入生が壇上に上がる。
(えっ!?)
思わず声が漏れそうになるのをぐっと抑える。
そこには見慣れた人が立っていた。